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占い師の動画から学んだ「どんな仕事にも使える立ち上げの5つの原則」

この記事は、占いに興味がない人ほど読んでほしい。なぜなら「ゼロから仕事を始めるための考え方」が詰まっているから。
たまたま題材が占いだっただけで、ここに書いてあることは料理教室・ライター・プログラミング・コーチング……どんな副業やフリーランスにもそのまま使える。
はじめに:なぜ占い師の話を真剣に聞いたのか
先日、YouTubeで「占い師になりたい!何をどこまで勉強すればいい?」という動画(笑みなぁや色氏)を偶然見つけた。
最初は「自分には関係ないな」と思いながらも、なんとなく再生。占いには特に興味がなかったのだが、話を聞いていくうちに「この人の考え方、めちゃくちゃロジカルだな」と引き込まれていった。
結論から言うと、この動画が教えているのは「占いの技術」ではなく、「ゼロからサービスを始めて、市場に受け入れられるための考え方」だった。題材がたまたま占いだっただけで、そのフレームワークはどんな副業やフリーランスにもそのまま使える。
この記事では、まず動画の内容を「納得感が高いまま」整理し、その後で「これは占い以外の仕事だとこうなる」という実例をいくつか紹介する。
まず動画の内容を整理する(占い師になりたい人向け)
占い師が最初に学ぶべきものは「卜術」
動画の講師(占い師の笑みなぁや色さん)は、こう言う。
「占いの業界は恋愛相談が圧倒的に多い。『彼の気持ちはどうですか?』という質問に答えられるのが卜術。タロットやルーン占いなどがこれにあたる。命術(四柱推命や占星術)では『彼の気持ち』を占うことはできない。だから卜術は必須。一番最初に学ぶべき。」
なるほど。確かに、「彼の気持ちを知りたい」という相談に対して、生年月日から割り出す命術では答えられない。相手の生年月日がわからない場合もあるし、仮にわかっても「気持ち」という一瞬の揺れ動くものを読むのは卜術の領域だ。
市場のニーズ(恋愛相談が多い)を把握し、それに最も効く武器(卜術)を最優先で身につける。この考え方は、どんな仕事にも当てはまる。
タロットは78枚全部覚えなくていい
さらに彼女はこう続ける。
「タロットは78枚あるから『難しそう』と思われがち。でもまずは22枚の大アルカナだけで占うことも可能。大アルカナだけで占っているプロの占い師もいる。78枚使わないといけない、このスプレッドでやらないといけない、という固定観念を捨ててほしい。」
これも非常に現実的だ。完璧を求めて「78枚全部覚えてから」「難しいスプレッドをマスターしてから」と考えていると、いつまで経ってもお客様の前に立てない。
最小単位で良いから、まずは市場に出る。足りないものは後から足していく。 これはソフトウェア開発で言う「MVP(Minimum Viable Product)」の発想そのものだ。
命術は必要。でも初心者は数秘術から
卜術をある程度身につけた後、時期や本質に関する相談(「いつ結婚できる?」「彼の本質は?」)に答えるために命術も学んだほうが良い。ただし、初心者にはこれも優先順位があると彼女は言う。
「西洋占星術や四柱推命は、チャートを入力したり作成したりする必要があってハードルが高い。初心者には数秘術がおすすめ。生年月日の数字を足していくだけの簡単な計算で始められる。種類も12種類くらい。タロットと数秘術のセットをまず身につければ、9割の相談に対応できる。」
学習コスト(時間・認知負荷)の低いものから手をつけ、早く「お客様に価値を届けられる状態」になることを優先している。これも非常に戦略的な考え方だ。
技術と同じくらい「姿勢」が大事
動画の終盤、彼女はこう語る。
「傾聴のテクニックを本で学ぶことも大事だけど、それ以前に『この人の話を真摯に聞きたい』という気持ちが何より大事。耳障りの良いことだけを伝えるのではなく、相手のためを思って厳しいことも誠実に伝える覚悟が必要。」
どんなに優れた鑑定技術を持っていても、冷たい態度や上から目線ではお客様は離れていく。逆に、技術がまだ拙くても「真剣に向き合ってくれる」と感じてもらえれば、リピートされる。
これは技術と顧客体験(カスタマーサクセス)の両輪が重要だという、サービス業の基本中の基本だ。
ここから抽出した「どんな仕事にも使える5つの原則」
ここまで動画の内容をそのまま紹介した。では、これを一般化して、占い以外の仕事の実例を交えながら整理する。
原則1:市場のニーズに合わせた武器を最優先で身につける(占いで言う「卜術をまず学べ」の意味)
動画での具体例: 恋愛相談が多いから、まず卜術(タロット)を学ぶ。命術はその後。
占い以外の実例
| 仕事の例 | 「自分の好き」から始める罠 | ニーズ優先で選ぶべき武器 |
|---|---|---|
| 料理教室を開きたい | 「作りたいのはフレンチ料理」 | 近所のリサーチで「時短レシピ」「節約レシピ」の需要が高いなら、まずはそこから |
| Webライターになりたい | 「書きたいのはコラムやエッセイ」 | クラウドソーシングで多いのは「商品説明文」「ブログ記事代行」。まずはそれを受ける |
| プログラミングを学びたい | 「作りたいのはゲーム」 | 企業が求めているのは「業務効率化ツール」「Webアプリ」。まずはExcel VBAやGASから |
| 動画編集を始めたい | 「かっこいいMVを作りたい」 | YouTubeで需要が高いのは「文字起こし動画」「Vlog編集」。まずはカット編集だけ覚える |
趣味と仕事は違う。仕事にするなら「自分がやりたいこと」より「誰かが困っていて、お金を払ってもいいと思っていること」を優先する。需要のない場所に供給しても、誰も買わない。
原則2:最小単位(MVP)でまず市場に出る(タロットは22枚からでOK)
動画での具体例: タロット78枚全部覚えなくていい。大アルカナ22枚だけで始める。
占い以外の実例
| 仕事の例 | 完璧主義の罠 | MVP戦略 |
|---|---|---|
| オンラインコーチング | 資格を3つ取り、教材を100ページ作り、サイトを完璧に作ってから募集 | 「経験者の体験談だけ」の無料noteを先行公開。反応を見てから有料化 |
| ハンドメイド作家 | 50作品ストックしてから販売 | まず3種類だけ。写真はスマホで撮って即座にメルカリやminneに出品 |
| ヨガインストラクター | 200時間の養成講座を修了してから | 友人3人に「自宅で簡単ヨガ」を無料で教え、フィードバックをもらう |
| コンサルタント | フレームワークを100個暗記してから | 過去の自分の仕事経験だけで解決できる領域から、まずは低価格で受ける |
「完成してから出す」と「出してから完成させる」は、後者の方が圧倒的に速い。なぜなら、市場からのフィードバックなしに「完成」はありえないからだ。
原則3:学習コストの低いものから手をつける(数秘術から入る理由)
動画での具体例: 命術が必要でも、チャート作成が必要な占星術より、計算だけの数秘術から入る。
占い以外の実例
| 仕事の例 | 高コストな入り方(挫折しやすい) | 低コスト戦略(まず動ける) |
|---|---|---|
| 動画編集 | いきなりAfterEffectsでエフェクトやモーショングラフィックスを学ぶ | スマホ+CapCutでカット編集とテロップ入れだけ覚える |
| Web制作 | HTML/CSS/JavaScriptを一通り学び、さらにWordPressも… | まずは「テンプレートをカスタマイズする」だけ。StrikinglyやWixなどの簡単なツールから |
| 英語コーチ | TOEIC900点を目標に3年間勉強 | 700点でも「初心者向け英会話サロン」を開き、教えながら学ぶ |
| データ分析 | PythonやRを学ぶ | まずはExcelのピボットテーブルと簡単な集計関数。それだけで十分な仕事は多い |
学習には時系列がある。まずは「最短でお客様に触れられるスキル」から習得する。なぜなら、お客様に触れないと「本当に何を学ぶべきか」すら見えないからだ。
原則4:技術と顧客体験は車の両輪(鑑定技術と同じくらい姿勢が大事)
動画での具体例: 鑑定技術と同じくらい、真摯に話を聞く姿勢や誠実に伝える覚悟が大事。
占い以外の実例
| 仕事の例 | 技術偏重の失敗例 | 顧客体験を意識した成功例 |
|---|---|---|
| 整体師・トレーナー | 施術は上手いが、まったく話を聞かない。「ここが悪いです」と一方的に言う | まず5分間「どこがどう困っているか」を引き出し、共感しながら施術。経過もフォロー |
| プログラマー(受託開発) | コードは完璧だが、素人相手に専門用語ばかり。納品して終わり | 「技術的な正しさ」より「相手が理解できる言葉」を選ぶ。定期的な進捗共有で不安を減らす |
| ファイナンシャルプランナー | 数字の正論をバッサリ言うだけ。「貯金が足りません」で終わる | 厳しいことも「なぜこれを伝えるのか」の意図(将来の安心)を添えて届ける |
| 料理教室の講師 | レシピ通りに正確に作る技術は高いが、生徒の質問に塩対応 | 「ここが難しかったですよね?」と先回りして声かけ。失敗しても「私も最初はそうでした」と共感する |
リピートされる人は「技術が一番上手い人」ではない。たいてい「話を聞いてくれる人」「誠実に伝えてくれる人」だ。技術は「前提」であって、「差別化要因」ではないことを意識する。
原則5:「全部覚えてから」では一生始められない(固定観念を捨てろ)
動画での具体例: 78枚覚えなくていい。大アルカナ22枚でいい。固定観念を捨てろ。
占い以外の実例
| 仕事の例 | 「もっと勉強してから」の罠 | 行動優先の切り替え方 |
|---|---|---|
| 英会話講師 | 「TOEIC900点取ってからでないと教えられない」 | 「700点でも、中学英語を忘れた大人に教えることはできる」と割り切る |
| 株式投資 | 「もっと勉強してからじゃないと怖い」 | まずは1万円から。損しても大きなダメージにならない金額で実践しながら学ぶ |
| ブログ運営 | 「もっと文章力を磨いてから」 | まずは100記事書くまでは「練習」と思って書き続ける。質より量 |
| 写真撮影(副業) | 「フルサイズ機と単焦点レンズを揃えてから」 | スマホ+無料アプリでまず撮る。機材より構図と光の方が重要 |
「完成してから始める」という考え方は、実は「始めない理由」を探しているだけの場合が多い。最初から完成品を目指さなくていい。未完成でも良いから、まず一歩を踏み出す。
この動画に足りない視点(実務知識として別途必要)
ここまで動画の素晴らしいポイントを整理したが、この動画だけで全てが完結するわけではない。動画は「技術の学習優先順位と姿勢」に集中しており、以下の実務知識については触れられていない。
これらは動画の枠を超えるので仕方ないが、実際に占い師(あるいは他の仕事)で活動するなら、別途調べたり学んだりする必要がある。
| 実務領域 | なぜ必要なのか | 最低限やること |
|---|---|---|
| 集客チャネル | どんなに技術があっても、お客様に届かなければ意味がない | ココナラ・ストアカ・SNSなど、自分に合った導線を3つリサーチする |
| 価格設定 | 安すぎても高すぎてもお客様がつかない | 競合の料金を10社調査し、「初心者価格」の相場を把握する |
| 法規制 | サービス提供には最低限の法律知識が必要(誇大広告禁止など) | 特定商取引法・景品表示法の概要を調べ、やってはいけない表現を確認する |
| 収益モデル | 儲からないと長続きしない | 歩合制・定額制・サブスクなど、自分の仕事に合ったモデルを考える |
動画は「技術習得」のフレームワークとして優れている。事業として成立させるための「経営」の部分は、自分で別途学ぶ必要がある。この線引きが重要。
まとめ:この動画が教えてくれたこと
最後に、もう一度この動画の価値を整理する。
この動画のすごいところは、「占い師」という一見特殊でスピリチュアルに見える仕事を、極めてロジカルに分解していることだ。
- 市場のニーズを調べる
- 最小単位でまず始める
- 学習コストの低いものから手をつける
- 技術と同じくらい顧客体験を大事にする
- 「全部覚えてから」という固定観念を捨てる
これらはどれも「どの仕事でも使える基本」だ。しかし多くの人は、自分の専門領域になると「うちの業界は特殊だから」と例外扱いしてしまいがちだ。
占い師という「特殊そうに見える業界」の人が、ごく当たり前にこの基本を実践している。その事実自体が、「どんな仕事も基本は同じだ」という気づきを与えてくれた。
もしあなたが「これから何かを始めたいけど、どこから手をつければいいかわからない」と迷っているなら、この動画のフレームワークを思い出してみてほしい。
あなたの仕事の「卜術」は何か?「大アルカナ22枚」に相当するMVPは何か?学習コストの低い順に並べるとどうなるか?
この3問に答えられたら、あとは動くだけだ。
